空き家対策研究事例経過報告NO16-1
協会の研究用に寄附頂いた土地建物を 空き家や解体後の跡地に見立てて、活用の研究をしております。
空き家活用研究施設 | 解体跡地活用研究用地 |
研究対象地
新潟市中央区:本州日本海側最大の都市。原爆投下予定地として爆撃が行われず、戦前の古い建物が多く残っています。ドーナッツ化現象により高齢者単身世帯も多く、空き家の倒壊事故が起こるなど、都市環境が悪化する傾向にあります。約15%が空き家の地域もあり、接道する道路が狭く車が付けられない。解体後は再建が出来ない。という建物が危険家屋となっていきます。建物解体よりも売買価格が下回る。不動産の負動産現象が起こっています。行政への寄附も戸建てレベルでは難しく、建物を解体しないことで固定資産税が減免される等の制度があり、倒壊するまで放置される建物が存在します。研究目的
NPO法人として、空家の寄附を受け、家屋を解体し、跡地を都市環境の改善が行われる活用を1サイクル行います。この研究を通じて、NPO法人が継続的に都市環境の改善を行えるシステムを開発して、公共福祉の促進を目的とします。研究科目1「寄附」
善意ある寄附を受け、協会が保有するまでの手続きと、掛かる活動費について、実証実験を行います。その過程に於いて、NPO法人特有の行政手続きを習得する事が目的です。研究科目2「建物の社会的活用」
寄附頂いた建物が使用可能な場合、社会的な活用を行い、可能であれば、将来の解体費を捻出出来るスキームを検討します。都市の空洞化を防ぐ少子化対策モデル事業等が考えられます。研究科目3「解体跡地の社会的活用」
解体後、跡地の利用法について、都市の緑地化を実現する地域での花園、菜園利用・子ども達の遊戯空間・コミュニティー空間・防災倉庫の設置等が考えられます。研究科目4「空家解体事業の拡大」
増え続けるであろう空家に対して、解体・除却・都市環境の改善をNPOとして続ける為のシステムを確立し、危険空家が発生した場合に、NPOにより解決出来る体制を整えます。 建築士・宅地建物取引士・建物管理士の方々に集まって頂き、今後の空き家に関する問題や、空き家研究施設の活用方法について、ご指導を頂きました。研究の方向性として、 建物を解体するよりも、活用した方が良い物件に思えます。NPOとしても維持管理解体の収入は考えないといけません。どちらかと言うと、建物が大きいので、子育て世代向けでしょうね。東日本大震災で新潟市に避難された方々への活用は良い事です。跡地は菜園という使い方が地域の方には喜ばれると思います。 抜本的解決として、隣地の方々に解体費を出資して頂き、その出資の按分に応じて土地を配分する方法が有効だと思います。 頂いたご意見を基に、実地検証を進める事としております。